9 garbha-griha

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11月には栃木のスタジオに戻り、少しずつ寒くなってきた空気の中、土に触れた。空気は冷たいけれどぽかぽかと日が差すことが多く作業が捗った。
そして滞在期間中に、念願だった洞窟「宇津野洞窟」に弟に連れて行ってもらった。制作のために洞窟のリサーチをしたくて、調べたら栃木県にも洞窟(鍾乳洞)があることが分かり、そこまで車を飛ばしてもらったのだ。石筍は1センチ伸びるのに約500年という歳月がかかるらしい。そして今もなお成長し続けていると。わくわくが止まらない!鍾乳洞への憧れは、幼少期に連れて行ってもらったあぶくま洞から始まったと思う。水気をおびた石が不思議なテクスチャで魅了され、初めて行った場所だったがなぜかお母さんのお腹の中のようで安心した。鍾乳洞の中は守られている感じが強い。一昨年訪れたスペインのドラッグ洞窟も凄まじかったが、あぶくま洞もドラック洞窟も様々な色にライトアップされていて、洞窟本来の素晴らしさが半減していた。宇津野洞窟の最高な点は、ほぼライトアップされていないことだ。ありのままの姿だった。その代わり、暗くて目を凝らさないと見えない細部がたくさんだが、それがとても良かったなあ。洞窟の中に天の川と呼ばれる場所があり、写真におさめるときらきらとラメが散りばめられたように輝いていた。あと、乳房石というエリアもあり、石灰水を含んだ水滴によってできた石が女性の乳房に似ているのでそう呼ばれているらしい。そのエリアが個人的にはとても落ち着いて結構長い時間居座った。
洞窟はやはり太古から、母なる大地の子宮と同一視されていたようだ。ローマの神殿は地下洞(mundus)を特徴としており、ラテン語のmundusは大地と子宮という意味を持ち合わせていたとか。いつか船津胎内樹型にも行ってみたいなあ。

そして宇津野洞窟で撮影した写真はいま土の中!ここ最近は土に霜が降りているのでどんな仕上がりになるのか楽しみ。

天の川✨
乳房石のエリアでうずくまる弟
入口前にあった謎の石。形がおもろい
宇津野洞窟の入り口
スペインのドラック洞窟
針山みたいだった、、、