9 少女性について

9 少女性について

この間ブックオフで寺山修司の少女詩集を見つけた。高校生のときに通っていた予備校の先生に貸したら借りパクされてもう二度と帰って来なかった詩集。
わたしが保存できないものへの愛着に気がついたのは、サリンジャーのライ麦畑でつかまえてを読んだときだ。主人公のホールデンは自分が童貞であることに執着している。早く童貞を捨てたいような素振りも見せるがその一方でそれを大切なものと見なし手放さないようにしているように私には思えた。それがとても魅力的だった。
日本を離れるまでは女性アイドルにお熱で現場に会いに行ったりチェキを買ったりしていた。
京都で久しぶりに会った妊娠中の友人はみずみずしい旬の果物みたいだった。
物事はすべて一過性のものだ。同じ状態で永久に保つことはできない。花は枯れるし少女は成長し大人になるのだ。